我が家の次男は2020年5月(6歳)にネフローゼ症候群と診断されてから、6ヶ月にわたりステロイド薬(プレドニン)を使って治療してきました。
今回はその副作用について。
ステロイドとは
ステロイドとは、両方の腎臓の上端にある副腎で作られる副腎皮質ホルモンの1つ。
薬として使用すると体の中の炎症を抑えたり、体の免疫力を抑制したりする作用があり、ネフローゼ症候群以外でもさまざまな疾患の治療に使われています。
強力に効く反面、強い副作用に注意が必要な薬。
起こりやすい副作用
【ステロイドは副作用がこわい】というのはなんとなく誰もが知っていることかと思いますが、起こりやすい副作用と実際に次男に起こった変化を記録していきたいと思います。
易感染症
免疫力を抑えることにより感染症にかかりやすくなり重症化しやすいため、手洗い、うがい、マスク、人混みを避けるなどの感染予防が必要。
また水疱瘡では特に悪化し命に関わることがあるので、学校での感染情報を共有させてもらうようにお願いし、感染した子と濃厚接触した場合は病院に連絡し予防する必要があります。
副作用の強さ:★☆☆☆☆
総合病院への頻繁な通院と長い待ち時間でリスクが高くいつもヒヤヒヤしているのですが、幸い半年間での感染症はありません。
ネフローゼ症候群では普通なら数日で良くなるはずの風邪や感染症、疲れなども再発のきっかけになってしまうので本当に不安!新型コロナはもちろん冬場はインフルエンザが流行する季節になるので感染対策をしっかり続けていきたいと思います。
食欲亢進
代謝が増えることで食後すぐにお腹がすくことがあり、食べすぎによって肥満につながることがあります。
副作用の強さ:★★☆☆☆
一時期お腹がすいたと言うことが多くなりました。とは言え、普段から少食であまり食べないことが悩みである息子。入院中の病院食(幼児食)も完食できる日が少なかったです。子供では嫌いな野菜を食べられるようになった!という声も聞かれるのに食欲や好き嫌いに大きな変化はありませんでした。
満月様顔貌(ムーンフェイス)・肥満
中心性肥満の一種で体幹の中心部や顔に脂肪が沈着してしまう症状。顔が真ん丸になったりするため特にお年頃の女性にとっては悩みの種になってしまうことも。
副作用の強さ:★★★★☆
もともとふっくらとした幼児らしい丸顔であまり目立たないかな?と思っていた数ヶ月。ふと以前の写真を見るとシャープな顎のラインとの違いにびっくり。少しずつ丸くなっていたようです。丸顔も二重顎も治療を頑張っている証!!
成長障害
小児の場合、骨の縦軸方向の内軟骨性骨化を阻害することにより成長障害をきたし、また成長ホルモン分泌やインスリン様成長因子等の働きを抑制することも知られています。
服用している間は身長がほとんど伸びないため、成長期の場合は特に低身長が大きな問題となります。
副作用の強さ:★★★★☆
医師からはステロイド副作中は全く伸びないと思っていてくださいと言われていたけど、半年間で2cmほど大きくなりました。同学年のお友達と並ぶとちびっこいのでこれからの成長期にぐんぐん伸びることを期待します。
白内障
レンズの役目をしている水晶体が濁ってくる病気。
副作用の強さ:☆☆☆☆☆
現在、確認されていません。
骨粗鬆症
長期間服用で必発する骨強度の低下。
骨密度が保たれていても原発性骨粗鬆症に比べて骨折しやすくなるため、予防または治療のためにお薬が必要になることもあります。
- ビタミン製剤
- ビスホスホネート製剤(虫歯があると悪影響あり。できれば骨の専門医に相談するのが理想。)
副作用の強さ:不明
骨密度の検査を行い推移をみています。
学校の体育では跳び箱(お尻から床に体を打つ動作)を避けるように指導があり、特に背骨の骨折を予防するように気を付けています。とても元気で階段から跳び跳ねたり、走ったり転んだりする息子を見てヒヤヒヤする日々。
胃潰瘍
胃に負担がかかるため胃を守る薬で予防します。
副作用の強さ:★☆☆☆☆
初発入院のときは病院の方針で胃を守る薬(ファモチジン)を服用していました。
入院中に腹痛、嘔吐、便秘がありましたがステロイドによる影響なのかは分かりません。
多毛
子供では起こることが少なく、胃薬を内服するかは医療施設により方針が分かれるようです。
全身が毛深くなり、特に子供に起こりやすいようです。
副作用の強さ:★★★☆☆
最初の2ヶ月ほどは気になるほどではありませんでした。
ムーンフェイス同様にこれも頑張っている証。
免疫抑制剤シクロスポリン(ネオーラル)と併用を始めてからどちらにも多毛になる作用があるためか顕著に現れ、おでこのうぶ毛と眉毛が繋がったり、背中もお風呂で毛の流れが見えるほどモサモサになりました。眉毛やもみあげも濃くなり、幼く可愛らしかった顔が男らしく凛々しい顔つきに…
高血圧
血圧が上昇すると降圧剤が必要になることも。
副作用の強さ:★☆☆☆☆
再発入院時に上がり降圧剤(ロンゲス)を一時的に服用しました。
精神的な変化
これは薬の説明書やネットで調べても書いてあることは少ないのですが、明るい性格の子は陽気に、静かな性格の子は塞ぎこんでしまったり、感情の変化が激しくなることがあるようです。
副作用の強さ:★★☆☆☆
活発なタイプでよくしゃべり、感情の起伏が激しくすぐに癇癪を起こすことが多い次男。(自閉症スペクトラムの特性もあり)
入院して数日は狭いベットから1日中出られずに暇だ暇だとよく泣きながら騒いでいました。普段から癇癪持ちなので入院している状況で仕方ないと思っていた(付き添いする私の心は滅入っていた)とき、看護師さんからステロイドの影響で強く出ているかもしれないとのことを聞き納得。
緑内障
ステロイドの投与により房水流出に障害が起こり、眼圧が上がることによって視神経がダメージを受けて視野欠損を起こすことがあります。
副作用の強さ:★★★★★
これが一番強く現れてしまった
何よりも深刻な副作用。
投与を始めて6日目に両目とも64mmHgというとても急激な眼圧上昇を来たし、しばらく目の痛み、嘔吐、失明の恐怖などに苦しみました。(わずか数日でここまで上がるのはとても稀な例とのことです…)
眼圧を下げるために6種類もの薬を使い、それでも下げることは難しいと宣告され大学病院に紹介する話がありました。また、子供では視野検査を行うことが難しいため、現在視野が欠けているかの診断ができません。
次男の眼圧上昇は100%ステロイドが原因のため減量に伴って下がってきます。再発してから1日でも早く寛解させ、1日も早く減量できるか?!いつも神経が磨り減る思い。また眼圧が高い状態が続くと下がりきらずに高止まりすることもありとても不安です。
再発してステロイド増量する度にわずか3日ほど経過した頃から、毎回必ず眼圧が上がるのが一番の問題となり、
小児科の医師もここに注力をそそぎ、眼科と連携しながらの治療を行っています。
- トラバタンズ
- ミケラン(カルテオロール)
- トルソプト
- アイファガン
- グラナテック
- ダイアモックス
まとめ
昔からあり医師は扱いには慣れているそうですが、副作用のためにお薬が必要になり、雪だるま式でどんどん薬ばかりが増えていってしまうのも特徴です。
次男は特に眼圧上昇に苦しんでいます。
ステロイドを飲まなければ目も悪くならない、
骨もボロボロにならない。
服用中は丸い顔と多毛になり見た目も変わってしまう…
そんな薬を毎日大量に子供に飲ませることに親として強い抵抗と複雑な思いを感じていました。
でもこの薬があったおかげで病気から命を救ってもらったのもまた事実。
病気を治すためには効果は高いので、免疫抑制剤と併用するなどうまく減量しながらお薬と病気と向き合っていけたらと思います。最終的な目標はステロイドゼロで生活できますように。
治療中の皆様、頑張りましょう!!!
(๑•̀ㅁ•́๑)o
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