今回、6歳の次男が発症してしまったネフローゼ症候群について、医師から説明がありましたので以下に記載します。
どんな病気なのか

ネフローゼ症候群とは、腎臓の糸球体(尿をつくるところ)に何らかの障害が生じて血液中に含まれるタンパクであるアルブミンが大量に尿中に漏れ、血液中のタンパク質(アルブミン)濃度が下がることで低タンパク血症の状態になり、その結果、全身に浮腫(むくみ)が起こる疾患。
明らかな原因疾患がないものを一次性ネフローゼ症候群(小児では特発性ネフローゼ症候群)、糖尿病や膠原病などを原因とするものを二次性ネフローゼ症候群呼ぶそうです。
小児慢性特定疾病、
どの年代でも起こり、いわゆる難病というものに指定されている長期的なフォローが必要な病気。
診断の基準
行う検査は尿検査と血液検査。
下記に該当する場合にネフローゼ症候群と診断されます。
- 尿蛋白1日3.5g以上(定性4+)
- 血液中のアルブミン濃度が3.0g/dL以下
- 浮腫
※また、必須ではないけれどこちらも診断するにあたり大きな特徴となります。
- 脂質異常(高コレステロール血症)
- IgG(免疫グロブリン)低下
腎臓病の種類について
腎臓病にはいくつか種類があり、
正確な診断には腎生検をして組織型を調べることが必要です。
- 微小変化群
- 巣状糸球体硬化症
- メサンギウム増殖性糸球体腎炎(IgA腎症、非IgA腎症)
- 膜性腎症
- 膜性増殖性糸球体腎炎
- 半月体形成性糸球体腎炎など
微小変化型ネフローゼ症候群はどの年代にもみられるが小児の場合は80%を占め、血尿など他の腎炎を疑われなければ生検を行わないで治療を始めることも多いそう。

次男も、最初に腎生検は行わずにステロイド治療が開始されました。ステロイドがよく効いたことから微小変化型と推測されています。
ネフローゼの治療について
まずは副腎皮質ステロイド(主にプレドニン) を使用する。
微小変化群の場合はよく反応して90%は蛋白尿が消え寛解になるが、プレドニンを減量中また中止後に再発することが多いのが問題となる。
副作用の強いステロイドを長期間使うことが難しい場合(頻回再発型、ステロイド依存型など)には免疫抑制剤を導入する必要がある。
大量投与から始め、その後徐々に薬を減量してゆく。最終的にはステロイド剤や免疫抑制剤なしで通常生活を送ることが目標。
経過について
ステロイド抵抗性(10%)
ステロイドに反応を示さないタイプ。
特に巣状糸球体硬化症は抵抗性を示す場合が多い。また最初はステロイドが効いても再発を繰り返すうちに効かなくなり、抵抗性へ移行することがある。
免疫抑制剤を導入するなどで寛解を目指す。
ステロイド感受性(90%)
ステロイドに反応して尿蛋白が減少するタイプ。(現在はこちら)
~寛解してからの経過について~
最初の一回のみの治療で再発なし。
その後数ヶ月ごとに何度か再発を繰り返し、成人するまでには再発しなくなる。
ステロイドを減量中または中止するとすぐに再発し、頻回再発型ネフローゼあるいはステロイド依存性ネフローゼという重症のタイプに移行することがある。その数%が大人になっても病気を持ち越し再発を繰り返すことがある。

※2020.11.26 追記
その後の経過で、次男のタイプは【ステロイド依存性・頻回再発型ネフローゼ症候群】と診断されることになってしまいました。
昔はどれも30%ほどと言われていたが、現在は再発型が増えているとの補足がありました。
次男の検査結果
2020年5月16日現在
検査項目 | 結果 | 基準値 | 単位 |
---|---|---|---|
尿蛋白定性 | (4+) | (-) | |
総蛋白 | 4.1 | 6.6~8.1 | g/dL |
アルブミン | 1.2 | 4.1~5.1 | g/dL |
IgG | 215 | 861~1747 | mg/dL |
総コレステロール | 685 | 142~248 | mg/dL |
アルブミンとIgGの異常な低さ、見たこともない高値のコレステロール!(´д`|||)
ネフローゼに気がつかないまま尿から大切なアルブミンが大量に漏れ続け、その結果に起きていた浮腫みをさらに一週間以上も放置していた状態なので基準値からかなり逸脱しているのが分かります…
体重測定は23kg。
普段の体重が20kgくらいなので、3kgほどが浮腫のために増えてしまっている状態。
とても良くない。
早く気付いてあげられずここまで悪化してしまい申し訳ない。後悔ばかり(・_・、)
個人的に思うこと
まず発症頻度について、10万人のうち6人なんて宝くじに当たるような稀も稀すぎる確率!なぜ???
しかも完治という概念はなく寛解。
そしてせっかく寛解しても、ほとんどが繰り返し再発の経過をたどる難治性であることにショックを隠せず。
また、使うステロイド剤の強い副作用にも不安があり、免疫抑制剤なんて臓器移植した人が使うものだと思っていた(実際にそうですが)。
小さい頃から病気がちだった次男。
気管支炎を繰り返し1歳になる前に喘息と診断。2週間ごとの定期通院を数年間(大変)続けました。数ヶ月ごとによく熱を出しそのたびに喘息の発作が起きていて眠っていても気が気じゃなかった。
1歳のときにインフルエンザの悪化で肺炎になり初めての入院。
2歳の頃、高熱が下がらず全身が真っ赤になり、川崎病と診断され大学病院に24日間入院。
年一回の定期検診を継続中。(※退院後5年間)
川崎病も原因不明の長い入院でショックだったけど、幸い心臓の後遺症が残ることもなく退院後5年間の定期検査がやっと最後だねと話していた矢先、今回のネフローゼ症候群を発症。
まさか難治性で何年も大人になるまで一生付き合っていかないといけない病気がどかーん!!!とやってくるとは誰が思ったでしょうか・・・
小児慢性特定疾病、難病、ステロイド、免疫抑制剤、副作用、腎生検、予後・・・難しい言葉の中で将来的には透析が必要なのかまで考えてしまい。
このときの気持ちは一言で表すと
愕然・・・
自分ならともかく、
この子が何か悪いことをしたの???
まぁ、なってしまったものを悔いても仕方がないので今できることをやって前を向いて進んでいくしかありません。
最悪、将来腎不全になったときに腎臓をあげられるように自分も健康でいなければ!と夫と話しています(๑•̀ㅁ•́๑)
ネフローゼ症候群と分かるまでの経緯
病気が発覚するまでの症状や受診記録をこちらにまとめました。
Comment
初めまして、現在看護専門学校に通っている2年生の学生です。今ネフローゼ症候群について小児の授業で学んでいる最中で、色々調べている際にこちらのブログを読ませていただきました。突発性は原因疾患などもなく、いきなり症状が現れるということなので、発覚した時はお子さんとともにはっちゃんさんも本当に辛かったと思います、、。
でも今はっちゃんさんが前を向いて頑張っている姿をみて、お子さんもそのはっちゃんさんの姿があるからこそ頑張れるんだとも思いました。お母さんとはまた違う存在ですが、看護師は患者様の身近な存在になるのではっちゃんさんを見習って私も患者様が前向きになれるようなパワーを与えられる存在になりたいと思います。
話が変わってしまうのですが、小児科を目指しているため、子どもに対しての説明の仕方というのを現在考えています。知識を増やすために主治医からの説明という題名の、ネフローゼ症候群について書いてある写真を全て見させていただくことは可能でしょうか、、。
勝手なお願いであるため、少しでも不快でしたら断って頂いて構いません。宜しければ検討のほどよろしくお願いします、、。
高田嘉美さんへ
初めまして。
コメントありがとうございます。
看護師さんの卵なのですね(^^)
現在長期入院中で朝から晩まで看護師さんにお世話になっている日々です。
技術や知識はもちろん、子供や付き添いの保護者は医師よりも身近な看護師さんの応対ひとつで心の在り方が変わり、心に寄り添った看護で救われることも多いです。大変なことがたくさんあるかと思いますが、学生生活でいろいろ学んで素敵な看護師さんになってくださいね。応援しています(^^)/
写真についてはこの記事の冒頭に表示されているものでしょうか?
これは子供向けにひながなで要点をまとめて作られているもので、原紙は既に捨ててしまいました…お役に立てず申し訳ありませんm(_ _)m
返信ありがとうございます!
はっちゃんさんの想いに応えられるように一生懸命勉強します。
そうです!いえ、こちらこそ急にお願いしてしまって申し訳ないです!
これからも読ませていただきます、ありがとうございました!